太陽はいま(未来山脈第362号より抜粋)
- 2019年8月1日
- 会員の作品
どんな苦境にも生き切れる人に育てると夫の方針
福知山 東山えい子
雫に言葉を秘めるようにして連なっている枝が光る
札幌 西沢賢造
デイサービス茹で卵の殻剥く媼 昨日からとぼやいている
諏訪 河西巳恵子
醸造酒のワインと日本酒に添えられた料理 イベントに夫と参加
米子 角田次代
未来が見えない人 過去を引きずる人 恐るべき格差
神戸 粟島遥
住宅前のきれいな花壇「お花は盗らないでね」の看板が泣いている
大阪 山﨑輝男
この世は夢よ幻よ そう割りきれぬから辛くもなる
京都 岸本和子
何の兆しかゆたぁりと虹の帯をたなびかせて環水平アーク
岡谷 柴宮みさ子
天竜舟下りの急流 反り返って舵を切る若き船頭のパフォーマンス
岡谷 横内静子
梅花うつぎ元号代われど垂れるほどに白い花 庭の通路はとおせんぼ
岡谷 三澤隆子
令和をどう生きるかと考えるな 内なる物との戦いが続く
岡谷 武田幸子
晴れ渡る空が早苗田に映りいいことがありそうな明日を思う
岡谷 片倉嘉子
選挙戦たけなわ 舞う桜の花びらが蜘蛛の網一面を飾る
岡谷 金森綾子
新元号「令和」新しい時代の始まりである 輝きにも似て
鳥取 小田みく
世界を考える時は地図ではなく地球儀 クルクルクルと回す
大阪 加藤邦昭
牡丹あでやかアヤメと芍薬楚々としてつつじとさつき庭いっぱい
諏訪 宮坂きみゑ
花びらや蝶や少女が舞い上がる渓谷曲線を吹き抜ける風
愛知 早良龍平
五月の里山歩きはわらび採りをしてから大山をトレッキングする
米子 安田和子
組体操する次女の真剣な表情を見失わないよう必死に目で追う
諏訪 浅野紀子
温い布団にくるまって木々の葉っぱを叩く雨音を聞くのが好きです
坂城 宮原志津子
風景とは自然が創り出した見事な「造形」である
青谷 木村草弥
令和に入り益々遠くなった昭和のあれやこれや夢の中
諏訪 百瀬町子
朝刊にカラーで写る金魚たち 暑い小浜も涼しい気もする
小浜 川嶋和雄
お姫さま嫌嫌のんでる薬のように大腸カメラの下剤のむ
札幌 石井としえ
眩しい新緑の弓道場を取り巻く高校生 若さと情熱キラキラして
諏訪 大野良恵
梅雨の晴間はとうとい 心が光に寄りそう
諏訪 宮坂夏枝
スーパーの代わりとなった道の駅 近隣町会には配達便も
青森 木村美映
人を寄せ付けない岸壁の海岸起伏の多い深い森父島の自然遺産納得
岡谷 武井美紀子
大勢の学生が乗っている何時もは一両に数人 乗って残そう飯田線
飯田 中田多勢子
何とかならない事に悩んでも仕方ない前向き前向き感謝感謝
箕輪 市川光男
アリガトウと伝えたい人がいる 真水を吸いあげ謳歌する若葉
冨田林 木村安夜子