コロナとの闘い

コロナとの闘い

コロナ禍の中で読んだ歌を挙げる(未来山脈二月より)。

・今しかない、はどんどん切実になり今食べるこの豆の一粒が有難い
(毛利さち子)

・木枯が吹く 道端の桜が花をつける 季節はどこかへ行った
(木下忠彦)

・地下街の語らいざわめき静まり街へ出たのはいつだったのか
(西沢賢造)

・車ばかりの国道 歩く人なく北風ばかりが通り抜ける
(河西巳恵子)

・俺を見て何故逃げるんだ青蛙 話はたくさんコロナのことなど
(八月)(川嶋和雄)

・コロナ禍に巣ごもりさせじと娘たちに連れだされ土、日の忙しいこと
(大塚典子)

・帰りたい 帰りたい 帰りたい町がある地球儀くるくる 冬コロナ
(川瀬すみ子)

・私の人生は何だったろう 亡母も口にした言葉を私もつぶやく
(上村茗)

・コロナ終息のあと活気ある日常が戻りますよう衆院選挙投票日
(金森綾子)

・ホルンの音ひびく宿のホールに安らぎの一時愉しむマスクの顔顔
(三澤隆子)

・この坂添いに二人ひっそり逝ったと聞く隣人さえも知らぬ間に
(柴宮みさ子)

・オミクロン株一筋縄ではいかないぞ 人類の危機救い主求む
(伊藤泰夫)

・コロナ禍の不安な日々を耐え抜いてオミクロン株で年が暮れてく
(大内美智子)

 

コロナ禍の中、「人は生きるとは何か」と、試されているように思う。
近頃子供の家出が増えていると聞く。当てもなくふいと家を出てしまうのだという。
私も、ふっと家を出たくなる。自制心が失われそう。歌でも大声で歌おう。