結社の代表歌

 

・絶えそうで絶えない水が何千年か流れていてちろちろと鳴る

宮崎信義

(第八歌集『太陽はいま』より)

 

・独りの苦笑暑さににじませ 紙幾枚の無駄を眺める

井伊文子

(「未来山脈」平成一七年一月号)

 

・原因に窮すると逃げようとする月は丸く詰めは甘い

光本恵子

(歌集『蝶になった母』角川書店刊)

 

・クラゲが水であるかのように恋することからできている 私

藤森あゆ美

(歌集『美しい水たち』より)

 

・風景のように人を見ていたら自分が風景になってしまった

笠原真由美

(歌集『幻想家族』から)