素足(未来山脈2026年6月号より抜粋)
- 2026年6月1日
- 会員の作品
愛知 川瀬すみ子
- 「さみしいね白い花木は」と君は言う不意打ちの事シデコブシの下
- これも好き あっちもそっちも好き 気付いたらGバン六着の老い
下諏訪 笠原真由美
- やわらかな松の新芽が匂い立つ坂の途中の家の庭先
- “あの国”の成り立ちにあった歪みは苦くまたひとつ戦争が始まった
松本 金井宏素
- 少年期のおぼろな記憶を手繰りなが霜野を行く八十八歳
- 穏やかな流れに小枝を落とし速さを競う 湧き上がる歓声は幻聴
飯田 中田多勢子
- 組合の空家三軒が解体される昭和二十二年飯田大火後に建てられた
- 借地へ建てられた家で返すときには更地にしての約束地続きの三軒
平塚 今井和裕
- 後を追う暗中模索電気無きこの世界なき理不尽となる
- 温かい春の木洩れ日眩しくていつか自分の心と重ね
鳥取 小田みく
- クッションのモチーフ編みに熱中し孫と二人時間忘れる
- 二人旅 合格祝いにかこつけて孫との温泉 一泊旅行
近江八幡 芦田文代
- 迷うのは石の隙間の草引く時 しがみついてた過去を持つ
- ほとばしるようなものはない喘ぐ事のほうが多いひと日が終る
横浜 上平正一
- さくら吹雪 ボタン雪のように舞いおりてくる
- 春風にさく 吹雪のようにほっぺにぶつかってゆく
東京 木下海龍
- 笹鳴きも聞かずに過ごす街に居て五月となれば季節の明日は
- 赤彦の「黄なる空」は見えたのか「御神渡り」ない湖は活きてるか
春日井 稲垣嘉子
- デイサービスの小太郎さん我が柴犬と同じ名前思わずふきだす
- ホーホケキョどのとまり木で鳴いてるの? 唄くちずさみ草を刈りゆく
ポーランド 下沢統馬
- ポーランドからオーストリアへ クリスマス前のウィーン市街
- オーストラリアから飛んできた彼女を迎える 三ヶ月ぶりの再会
伊那 まさこ
- 彼女がくれた水仙がひっそり咲く お気に入りの髪型で号令をかける
- 蛙の合唱が聞こえる私も仲間に入りたい 練習後の休けいになごむ
伊那 金丸恵美子
- 仕事辞めたらゆったりと新聞を読もう 一日で読めない記事の多さ
- 政治経済スポーツ文芸暮らし 毎日資料を揃え編集する人々は凄い