光本恵子の選ぶ歌

光本恵子の選ぶ歌

七月号より

・風邪引いたらアカンぼちぼち帰りましょかと車椅子の列笑い声残して

近山紘

・人生が顔をつくると教えられ肝に命じこの顔か残りはわずか

大塚典子

・私きっと飲めば酒豪になっていただから飲まないだから飲めない

石井としえ

・人間を狭くする源は意識だ 自然に歩調を合わせて生きたい

木下忠彦

・最後の更新なのに今回初めて違反し高齢者には特に厳しいおしおき有

安田和子

・阿智の「駒つなぎの桜」 義経が奥州へのがれるとき馬をつないだ桜

中田多勢子

・リゾートホテルの様な佇まい 父の新しく移ったホーム

南村かおり

・木蓮は平和の鳥を集わせて白さに澄んだ声を与える

須藤ゆかり

・春だよスキー終えゴルフへ 道具の出し入れ気分うきうき

桜井貴美代

・遅霜に赤い屋根が白くなり遠くに雉子の声近くは狐の足跡

太田則子

・亡母の好きな水仙 想いそのまま私のなかで咲く

泉ののか

・柴犬に英語を教えて十三年 ひとことも話さないが学びは続

長田惠子

・身体の力を抜く所は抜き力をいれる所はふんばる 学んだリハビリ法

横内静子

・特売のチラシ眺めるも値上がりのガソリン代と天秤にかける

三澤隆子

・「青空よ見よわが心汝よりあをき」自信のない心に沁みたフレーズ

岸本和子

・ボロボロの重ね着をきて肩の荷も半分背負ってくれる妻である

上平正一

・百年越す庭先の赤松数々の戦いのり越え凛と立つ平和の赤松と命名

宮原志津子

・継ぎ当てなんて死語かも リハビリや言うて靴下繕う雪の日

芦田文代

・公園を通れば桜の花びらが パラパラパラと雪降るごとし

川嶋和雄