あ・ら・か・る・と(未来山脈 第293号より)
- 2013年11月20日
- 会員の作品
萩に露を宿して水面を飛翔するサギ草濁世の夜明け
金井 宏素
すいと来てつうと飛びゆくあなた 背中の赤が「秋」の字を書く
坂口 廉
二時四八分を指して止まったままの時計 校舎はがらんどうに
宮原 志津子
神様からの休養時間よと人はいうけれど何だか落ち込んでゆく
佐藤 静枝
草刈機で畑の中の草を刈る 今まではなんとか自分でとっていたのに
中田 多勢子
猫背修正して気持よくカッコよく歩くこと数分 すぐ元に戻る
笹鹿 啓子
案山子は名指揮者 穂をつけた稲田に立って初秋の風をあやつる
土橋 妙子
切り開いた先祖の思いを断って山の畑荒れてたたずむ
唯々野 とみよ