和風土(未来山脈 第305号より抜粋)
- 2014年11月4日
- 会員の作品
地味なシャツ着て心地よい自分に気づく蔓姫蕎麦の花群を過ぎ
京都 毛利さち子
幸せって 涙をいっぱい流した後に来るのかな 虹のごほうび
福知山 東山えい子
登りたい山脈を見上げてインドとは国というより大陸である
東京 金澤和剛
誰もいない広場で日時計が午後二時を指している
下諏訪 中西まさこ
白樺の小径を抜けると見えてくる高原の湖 一番のビューポイント
茅野 伊東里美子
朝から暑い職場にやる気を起こすスイカ一個の大きな魔力
諏訪 大野良恵
暑い日に井戸で冷やした水瓜をと出され涙と汗が噴き出す
福島 矢吹泰英
百合匂う面会室に来た姉と思い出ぼろぼろ語り合う
鳥取 大谷陽子
生わかめ茹でるに忽ち翡翠の色に磯の香たちて夕暮れ
北見 泉忠
西日さす机の上のえんぴつがキャップ光らせころがっている
横浜 上平正一